【5月21日はアーケード版記念日】ノリ感だけで突き進む、全人類を笑顔にしたリズムアクションの金字塔

2007年5月21日、全国のゲームセンターに一風変わった筐体が登場しました。任天堂とつんく♂氏の共同開発によって生まれ、前年にゲームボーイアドバンスで大ヒットを記録した『リズム天国』のアーケード版です。当時の音楽ゲームといえば、画面上から降ってくる複雑なマーカーを目で追い、タイミングよく多ボタンを叩く「視覚と反射神経」のゲームが主流でした。そんな中、本作が提示したのは「画面を見なくても、リズム(ノリ)さえ合っていればクリアできる」という、音楽の本質に立ち返った極めてシンプルで画期的なシステムでした。

ゲームのルールは、音楽に合わせてタイミングよくボタンを押す、ただそれだけです。しかし、そのシチュエーションの切り口がどれも秀逸でした。リズムに合わせてタマネギのヒゲを抜いたり、流れてくるロボットにネジを締めたり、はたまたステップを踏むサルたちとダンスを踊ったり。J-POPのヒットメーカーであるつんく♂氏が監修した楽曲のクオリティはどれも抜群に高く、一聴しただけで身体が動き出してしまうような「ノリの良さ」が徹底的に追求されています。

さらにプレイヤーをニヤリとさせるのが、ゲーム中に仕掛けられた「意地悪な演出」です。リズムに乗って調子が出てきたところで、突然画面がズームアウトして手元が見えなくなったり、闇に包まれてキャラクターが隠れてしまったりします。しかし、これらはすべて「目押し」を封じ、プレイヤーの「耳と身体のノリ」を信じさせるための演出。仕掛けを乗り越え、音楽と自分の操作が完璧にシンクロして「ハイレベル」の評価を得たときの爽快感は、他のゲームでは味わえない独特の脳内麻薬を分泌させてくれました。

アーケード版では大画面でのプレイや2人協力プレイが追加され、学校帰りの中高生から家族連れまで、インベーダー時代とはまた違う形で幅広い層が筐体を囲んで笑顔になりました。のちに数々の続編が生み出され、世界中で愛されるIPとなった『リズム天国』。スマホゲームなどで手軽なリズムゲームが溢れる現代だからこそ、ボタンとレバー、そして純粋なグルーヴ感だけで勝負していたこの原点の「ノリ感」を、ぜひ体感してみてください。

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